舌下免疫療法
舌下免疫療法を希望する患者さんへ
「スギ花粉症」の新たな治療法として「舌下免疫療法」の薬が発売されました。
「スギ花粉症」の根治治療になる可能性があり期待される薬剤です。
副作用はほとんどが口腔内の局所反応です。(かゆみ、腫れ、刺激感)
しかし、消化器症状,じんましん、喘息発作などの全身反応もまれに報告されています。
ただし、致死的なアナフィラキシー反応は一度も報告されていません。
なお、万一に備えて重篤な副作用が起きた時は、緊急受診可能な病院を確保する事が義務づけられています。
治療の流れ
- 舌下免疫治療を希望される患者さんは問診票での適応の有無確認(受診時に手渡し)
- 検査(アレルギー血液検査、鼻レントゲン撮影)
- 治療持続の意思確認(3~4年以上、4年以上が望ましい)
- 緊急対応病院での診察(ご本人の住所から30分以内に受診可能な基幹病院)
→当院から紹介状を準備します
→その病院で最初の投薬を受ける
→2回目以後は当院から処方します
(最初の1年間は薬は2週間処方、以後は1ヶ月処方の予定)
- 舌下免疫療法に不適応な患者さん
- β阻害薬(慢性心不全の治療薬)を使用する患者さん
- 治療開始時に妊娠している患者さん
- 重症喘息患者さん(基本的に喘息の患者さんは主治医の了解を取る事)
- 全身的に重篤な疾患を有する患者さん
- a.悪性腫瘍
- b.自己免疫疾患
- c.免疫不全症
- d.重症喘息患者:1秒率70%以下
- e.慢性感染症
※β阻害薬:慢性心不全で弱った心臓を補うために過剰に負担を負っている交感神経の働きを和らげ、心臓を保護する薬
→アーチスト、セロケン、メインテート、ロプレソール等
→アナフィラキシーが起こった時にボスミンの効果が減じる
※期待される新薬ですが、実際に治療を受ける方はしっかりと治療の内容と副作用を理解した上で始める方が良いと思います。